内臓脂肪 6 原因は脂質ではない
内臓脂肪が増える原因は糖質の食べ過ぎですと昨日のブログに書きました。今日は内臓脂肪が増える大きな原因が脂質の食べ過ぎではないことを書きます。
脂質は身体に吸収されにくいです。理由は、脂質は油性だからです。口から胃・小腸・大腸に至るまでの全ての消化器官は水性です。しかも、血液も水性です。脂と水は反発し合うため吸収されにくいのです。では、どうやって脂質が体内に取り込まれるかというと、主に膵臓で作られる消化酵素リパーゼが界面活性剤の働きをします(手に付いた脂は水では流れにくいですが、石鹸(界面活性剤)を使えば水に流れます。脂の表面に膜を作ると水と仲良しになれる)。リパーゼの働きで食べた脂質が分解され膜が作られ水溶性になれるのです。ただし、直接血管には取り込まれずリンパ管に入ってから静脈血管と合流します。つまり、脂質は身体に吸収できにくいので、大半はウンチとして捨てられています。
脂質は活動エネルギーや細胞膜やホルモン作成に使われる分だけを吸収します。余分に吸収し、内臓脂肪(中性脂肪)として蓄えることはほぼありません。よほど食べ過ぎなければ体に溜め込むこともありますが。
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日の平均脂肪摂取量は、20歳以上の男性で66.3g、女性で56.7gです。この程度の脂質量を食べるくらいでは内臓脂肪として蓄積する前に消費されてしまいます。