体脂肪 26 肥満→冠動脈疾患
脂質の中でも、特に悪玉コレステロールのLDLコレステロールが非常に高くなってくると、動脈血管内膜の硬化が進みます。心臓の冠動脈で起きれば狭心症や心筋梗塞になります。
動脈硬化は、動脈血管の内側の壁の中にコレステロールがたまったり、石灰化したりして、血管が老化したような感じになるものです。動脈硬化には、大きくわけて2つのタイプがあります
1、血管狭くなる「アテローム動脈硬化」
アテローム動脈硬化とは、血管の内膜に悪玉といわれるLDLコレステロールが溜まることで血液の通り道が狭くなるものです。血液中のLDLコレステロールは、多くなり過ぎると血管の内皮細胞の下に入り込んでたまり、プラークになります。白血球の一種がこれを食べていき、たくさんため込むと炎症物質を出しながらその場で死んでしまい、この死んだ白血球の塊が増えると、血管の内膜が押し上げられて血管が狭くなってしまいます。
2、血管が硬くなる「石灰化」
血管の中膜の部分にカルシウムが沈着して、血管が硬くなるのが石灰化と呼ばれる動脈硬化です。石灰化は、高血圧などにより中膜の平滑筋や線維にカルシウムが沈着して硬くなることで起こります。血管の石灰化が進行すると、血管が伸び縮みしにくくなってしなやかさがなくなり、血流によるダメージを受けやすくなります。石灰化はアテローム動脈硬化が起きていない場所にも起こります。