脂質 22 中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、2〜3個の脂肪酸が7〜12炭素原子の脂肪族尾を持っています。
中鎖脂肪酸は、水に馴染みやすく、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入っていき、肝臓ですばやく分解され、短時間でエネルギーになります。
中鎖脂肪酸が分解される時間は長鎖脂肪酸の4~5倍も速く、脂肪として蓄積されにくいという特徴があります。
ココナッツオイルには、約60%の中鎖脂肪酸が含まれています。また、100%中鎖脂肪酸でできているオイル(中鎖脂肪酸油=MCT:Medium Chain Triglyceride)もあります。「MCTオイル」の主成分である中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツに含まれる植物成分です。医療現場・スポーツ分野における栄養補給や、生活習慣病予防など、様々なシーンで利用されてきました。さらに、今後は脳の栄養不足改善という領域でも利用が進むことが期待されています。
MCTオイルのデメリット
1、腹痛や下痢のリスク
腸に大きな負担をかけるため、下痢や腹痛が起きやすくなります。胃腸の不快感や吐き気を感じることがあります。特に初めての摂取や空腹時に摂取した場合に起こりやすい症状です。消化不良による体調悪化も招きます。
2、栄養バランスの偏り
エネルギーバランスが崩れたり、必要な栄養素の吸収を妨げる可能性があります。
3、必須脂質の不足
MCTオイルにはオメガ3脂肪酸や必須脂肪酸が含まれていません。これらの成分は、細胞の健康や抗炎症作用に欠かせない重要な役割を果たします。
4、糖尿病へのリスク
迅速にエネルギーとして代謝される特性が血糖値の変動を引き起こす可能性もあります。
5、アレルギー反応の可能性
ココナッツ由来のMCTオイルは、皮膚の発疹や腫れといったアレルギー反応を引き起こすことがあります。