脂質 7 トランス脂肪酸
トランス脂肪酸は身体に悪い。
不飽和脂肪酸にはトランス脂肪酸とシス脂肪酸があります。違いはグリセリンに付く3ヶの脂肪酸の型の違いです。水素の配置が反対側にある「トランス(trans)型」と同じ側にある「シス(cis)型」です。

トランス脂肪酸は、「トランス型が1ヶとシス型2ヶ」「トランス型が2ヶとシス型1ヶ」「トランス型が3ヶ」が、グリセリンと結合しています。トランス脂肪酸は主に人工的に作られたもので身体に良くないです。
シス脂肪酸は、水素が同じ側にある構造を持つシス型3ヶがグリセリンと結合しています。天然の不飽和脂肪酸のほとんどはシス脂肪酸です。前回までのお話(オメガ3・6・9)がシス脂肪酸です。

トランス脂肪酸とは植物性油を原料とし、油の性質を人工 的に変えたものでマーガリン、ショートニング、コーヒーフレッシュなどに含まれます。トランス脂肪酸は重量の 60%を脂肪が占め脳に大きなダメージを与えます。その 影響は子供にはより深刻です。
トランス脂肪酸は善玉(HDL)コレステロールを減らし、悪玉(LDL)コレステロールを増やすため、心臓疾患などのリスクが高まると言われています。
欧米諸国を中心に、トランス脂肪酸の摂取量が多い国や地域などでは、食品への表示義務や含有量の制限などの規制が行われている場合があります。一方、日本の食品安全委員会は、総エネルギー摂取量の1%未満であり、通常の食生活では健康への影響は小さいとしています。しかしながら、脂質に偏った食事をしている人は、留意する必要があります。