糖質 4 取過ぎ
猿人(アウストラロピテクス)は、約400万年から300万年前に生きていたと考えられています。縄文時代以前は、木の実・山菜・海藻などを採取し、魚や獣を狩猟して食べていました。それらを得るために運動もせざるを得なかった。弥生時代以降に、稲や麦を栽培する農耕が約3000年前始まり安定した食生活が送れるようになってきました。それに伴い運動をしなくてもよくなりました。お米やパンなどの炭水化物(糖質)が多く取られるようになってきたということです。さらに最近ではスイーツなどの甘い物も多く取るようになってきました。
約3000年で糖質にあった身体に人間は進化することはできません。ゆえに、食生活の変化が肥満や生活習慣病を増やしてきたということです。つまり、糖質を減らし運動するのが、今の人間の身体にとっては最も生きやすく健康ということです。
糖質の必要量は、成人男性で1日約338~439g、成人女性で1日約275~358gが1つの目安とされています。1日に必要な糖質量は年齢、性別、運動量によって変わってきます。
必要な糖質量の計算は下記の計算式で求めることができます。ここでは例として身長160㎝の女性、座り仕事が中心の方の糖質量を算出していきます。
①身長(m)×身長(m)×BMI22=標準体重(㎏)
例:1.60×1.60×BMI22=56.3㎏
②標準体重(㎏)×身体活動量(kcal/㎏)=適正エネルギー量(kcal/日)
例:56.3×25(kcal/㎏)=1408(kcal/日)
活動量:数値と(活動レベルの定義)について
低い:25~30(生活の大半が座っている、デスクワークなど軽作業が多い職業。)
普通:30~35(通勤や買い物などで一定の立っている時間や移動の時間がある。立ち仕事が多い職業。)
高い:35~(移動や立っている時間が長い。1日1時間以上は力仕事に従事している職業。)
③適正エネルギー量(kcal)×0.5~0.65(※)=炭水化物必要エネルギー量(kcal/日)
※総エネルギーの50~65%を炭水化物から摂取するのが目安とされています。
例:1408×0.65=915.2kcal/日
④炭水化物の必要エネルギー量kcal/日÷4=糖質量(g)
例:915.2÷4=228.8g
なお、世界保健機関(WHO)は2015年3月4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表しました。平均的な成人で25グラム程度。従来は10%までと推奨していましたが、各種の研究結果から基準を引き下げました。WHOが摂取量の制限を推奨するのは、糖類のうち単糖類と2糖類のショ糖(砂糖)に限るとしています。主に加工食品や清涼飲料に加えられる砂糖のほか、蜂蜜や果汁飲料などに含まれています。未加工の青果類や牛乳に含まれる糖分は対象外としています。新指針では引き続き「10%までを推奨する」としつつも、「5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる」と追加しています。